Center’s Note

研修コースに関するご案内

2024年4月2日
山本 堅一

 高等教育研修センターでは、これまで体系的な研修プログラムのコース策定を進めてきました。この度、策定した3つの研修コースについて運用を開始することとなりましたので、皆さまにご紹介いたします。

 FDとは、教員としての資質能力開発のことを指します。当センターではFD研修を以下の6領域に分類し、各領域の研修を合計で年30回前後実施しています。今回運用を開始するコースは、これらの研修プログラムから編成しました。

A. 授業デザイン Course Design
B. 教授技法 Teaching Skills
C. 高等教育の動向 Trends in Higher Education
D. 学生支援 Student Support
E. マネジメント Management
F. コミュニケーション Communication

①「授業実践者の基本Foundations for Lecturers」コース

 授業実践に焦点を当てたコースです。シラバスとハラスメントの研修を必須とした上で、6領域それぞれから2時間以上、合計で16時間の研修を受講することで、コースの修了認定を行います。
 本コースを修了することで、授業実践者としての基本的な知識やスキル、そして態度が身につくことを保証いたします。

②「教育研究力の開発Enhancing Educational and Research Competencies」コース

 授業実践者のみならず研究者としての業務改善を自律的に行えるようになるコースです。こちらは、①授業実践者の基本コースが修了していることを前提とします。その上で、改めてシラバスとハラスメントの研修は必須とし、領域D、E、Fからそれぞれ2時間以上、他の領域含め合計で10時間の研修受講が必要です。この条件を満たし、自己改善レポートを作成いただくことで、コースの修了認定を行います。
 本コースを修了することで、授業実践者としてのみならず、研究者としても自律的に教育研究活動を調整、改善していくための知識やスキル、そして態度が身につくことを保証いたします。

③「アカデミックマネジメントAdvancing Academic Leadership」コース

 マネジメントに焦点を当てたコースです。①、②のコースとは独立しており、単独で認定可能です(ただし、中堅以降の教員を想定しています)。ハラスメント研修を必須とした上で、領域CとEから各4時間以上、DとFから各2時間以上の研修受講が必要です。この条件を満たした後、自己の抱えるマネジメントに関するレポートを作成いただくことで、コースの修了認定を行います。アカデミックマネジメントは、研究室、学部・学科、センター、大学のマネジメントといった、さまざまなレベルを想定しています。
 本コースを修了することで、当人が抱えるマネジメントに関する知識やスキル、そして態度が身につくことを保証いたします。

 特段の申請資格はありません。常勤として高等教育機関に所属していなくても認定いたしますので、非常勤講師をされている方なども申請いただけます。

 当センターでは、主催・共催研修の参加者データベースを構築しています。誰がいつどの研修に参加したか等、すぐに調べることができます。したがいまして、コースの修了要件を満たしていると思われた場合、当センターにお問い合わせください。教育研究力の開発コースとアカデミックマネジメントコースをご希望の場合は、レポート課題の詳細についてお知らせします。授業実践者の基本コースは、修了証を発行いたします。

 最初に説明したように、当センターでは6つの領域にわたってさまざまな研修を実施しています。今回研修コースを策定し運用を開始したねらいは、教員としていつ、どのような研修をどれくらい受講すれば良いのかといった疑問や不安に対する目安となるものを提示することです。①は教員として必要な基本研修なので、1年で修了できます。基本を身につけた後は、ご自身でさまざまに工夫しながら授業実践していただき、もう少しレベルアップしたいなと思ったときに②のコースに挑んでいただければと思います。そして、教員として教育研究活動を続けていると、マネジメントの課題を抱えることにもなるはずです。そうなったときは、また当センターの研修を受けていただきたいと考えています。

 このように、私たちは教員の入口からベテランになるまでずっと寄り添い、教員から頼っていただけるセンターを目指しています。これまで研修にご参加いただいた皆さまにおかれましては、今後はコースの修了も目指していただけますと幸いです。

 なお、領域毎の研修例については、別途ご案内します。